2005年12月07日

『博士の愛した数式』小川洋子/新潮文庫


博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

  • 作者: 小川 洋子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11/26
  • メディア: 文庫




シングルマザーで家政婦の“私”は、事故が元で八十分しか記憶が保てない老数学者“博士”の家に派遣される。
数を通してしか語り合えなかった二人の関係は、“私”の息子“ルート”が加わることによって、優しく変化してゆく。

***


回復する望みのない記憶障害をもち、数学だけを友として生きてきた博士が、家庭的な暖かさに触れて、ぎこちないながらも喜びを表してゆく様子が微笑ましくも切ない。
限られた時間の中で三人が織りなす人間模様にほろり。
物語の中で語られる数学の美しさについての描写に脱帽。
私はバリバリの文系なので、不幸にして数学の美的要素に触れた経験は少ないが、さもありなん、と感嘆せしめられた。
尊敬に満ちた友情に似て、家族への愛情のようだけれど、恋慕の情にも思える、微妙な想いがじれったくも愛おしい作品である。
タグ:書評
posted by ささみ at 02:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 本(著者) あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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