[演出]いのうえひでのり
[出演]古田新太 堤 真一 高岡早紀
勝地 涼 木村 了・梶原 善・粟根まこと 高田聖子 橋本じゅん
右近健一 逆木圭一郎 河野まさと 村木よし子 インディ高橋 山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ 村木 仁 少路勇介 川原正嗣 前田 悟 他
上り立つ陽炎の中に、心に抱く幻が見えるという場所、蜉蝣峠。
そこで誰とも知れぬ人を待つ、記憶のない男がいた。
男の名は闇太郎(古田新太)。
不義理で一座を追い出された元役者・銀之助(勝地 涼)と連れ立って、闇太郎が向かったのは、神にも仏にも見放された無法地帯「ろまん街」だった。
この街では、先代の親分の娘(高田聖子)の婿である立派(橋本じゅん)と、先代の長男・天晴(堤 真一)が対立し、組を挙げての抗争が繰り広げられていた。
ろまん街で飯屋を営む盲目の老人・がめ吉(梶原 善)は、闇太郎を知っているという。
二十五年前にこの街で起きた、悲惨な事件の生き残りが闇太郎だというのだ。
どうやらこの街に来たことで、失われた記憶を取り戻す手がかりが見つかりそうだ。
そんな折、闇太郎の幼馴染だという女・お泪(高岡早紀)も現れて・・・
***
ダークな西部劇といった雰囲気の、荒んだ街を舞台に繰り広げられる、陰惨で哀しい物語である。
・・・はずなんだけども、いきなりギャグパートで始まったので、意表を突かれた。
しかも軍鶏のシャモリさん(動物プロ所属)を、まさかあの人が演じるなんて・・・さすがクドカン、恐れを知らぬ男。
今作の主人公、闇太郎は記憶喪失ということで、古田さんの台詞は少なめ、おふざけもあまりない感じ。
でもソロでムード歌謡(?)一曲歌ってくれて、面白かった。
破滅的な男、天晴役の堤さんが超セクシーだった。
着流しの裾を華麗にさばき、ダイナミックな荒っぽい殺陣で舞台狭しと暴れまわる・・・悩殺もんですぜ。
今回は眼鏡なしかと思いきや、眼鏡着用だった粟根さん。
てんで役に立たない用心棒を、理屈っぽく、眼光鋭く演じてらしたわ。
ろまん街の住人の中では、比較的まともな感じの役柄だった、たぶん。
勝地氏は『犬顔家』に続いて二回目の出演。
複雑な役を、すばらしく思い切って演ってた。
ギャグも、シリアスもどっちもいい感じだったなぁ。
じゅんさんたち劇団員三人による、パフュームのパロディ「ヤクザインヘブン」も、超くだらなくておかしかった。
今作の特徴は、やはりギャグパートとシリアスパートの配合具合の妙。
普段の新感線のギャグパートって、あんまり本筋に絡まないことが多いが、クドカン脚本はギャグパートの台詞の中に、伏線が隠されたりしていて、なかなか気が抜けない。
いのうえ歌舞伎=ヒーローものというイメージを、見事に壊した、まさにPunkな内容だった。
「死にたくない」の場面。
「お菓子は走ってるサルキジが好きだから・・・」の場面。
ラストシーン。
で、目頭が熱くなった。
誰も幸せにならない話なんだけど、意外と後味は悪くなかった。
タグ:演劇




こちらもさせていただきます。
「お菓子は走ってるサルキジが好きだから・・・」というセリフいいですよねw
本筋とはあまり関係ないのにすごく印象に残る場面でした^^
ご訪問&コメントありがとうございます。
初めは、お菓子って役は色物なのね〜、と思いながら観てましたが、あの場面のシリアスっぷりには度肝を抜かれました。
細部まで手を抜かないクドカン脚本の本領発揮ですね。