2007年10月12日

『パンズ・ラビリンス』

舞台は、内戦後の混乱の只中にあるスペイン。
軍部の圧制に抵抗する人々は、ゲリラとして山中に潜み、政府軍との戦いを続けていた。
そんな中、おとぎ話が大好きな少女オフィリア(イバナ・パケロ)は、臨月の母カルメン(アリアドナ・ヒル)と共に、ある山村に向かっていた。
村には、母の再婚相手であるビダル大尉(セルジ・ロペス)がいるのだ。
「息子は父親の元で生まれるべきだ」と頑なに信じるビダル大尉の命で、無理な移動を強いられた母は、体調を崩してしまう。
生まれてくる子供にしか感心のない冷酷な義父、床に臥せっている弱り果てた母、見知らぬ土地でオフィリアは不安を抱いて暮らしていくことになる。
わずかにオフィリアにかまってくれるのは、使用人のメルセデス(マリベル・ベルドゥ)だけだ。

そんなある夜、オフィリアは妖精に誘われ、村の片隅にある古びた迷宮に迷い込む。
そこには恐ろしい姿をした牧神パン(ダグ・ジョーンズ)がおり、オフィリアに「あなたは魔法の国の王女の生まれ変わりだ」と告げる。
思わぬ言葉に喜ぶオフィリアだったが、王女と認められるためには三つの試練を乗り越えなければならないという、条件があった。

オフィリアは試練を乗り越えることができるのか。
そしてその先に待っているものとは――

***


暗い・怖い・いたたまれない、の三拍子が揃ったダーク・ファンタジー。
残酷な描写の、“痛い”シーンが随所に挿入され、スクリーンを正視できないこともしばしばだった。
私にはちょっときつかったなぁ・・・

登場人物はおおむね陰気。
夢見がちな少女オフィリアは、辛い現実から逃れるために、パンの試練に挑戦する。
そこまでは理解できるが、おとぎ話のお約束とはいえ誘惑に弱すぎ。

ビダル大尉は冷酷非道で、人の命なんかなんとも思ってない。
唯一関心があるのは、生まれてくる息子のことだけだが、それもやはり自身の死への恐怖の表出に過ぎなくて、同情の余地なし。

母カルメンの弱さは、社会の情勢からみて仕方のない面もあるが、あまりに頼りなくて、好感が持てない。

メルセデスとオフィリアの関係も、いまいち説得力が感じられなかった。

パンは、よくわからないな。
善でも悪でもない、ニュートラルな印象だけ。
ちなみにパン役の俳優さんは、他の出演作では、巨大昆虫とか半漁人とかを演じておられるそうな。着ぐるみ俳優?

おおよそ、感情移入できる登場人物がいなかったな。

ラストも、救われるんだか救われないんだか、判断の分かれるところ。
なんかスッキリしない作品でありました。

→公式サイト
タグ:映画
posted by ささみ at 11:22| Comment(2) | TrackBack(21) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとう。
説明過剰な映画が多い中、こういう謎の幅のある映画もいいのでは?
Posted by kimion20002000 at 2007年10月15日 02:35
>kimion20002000さん
コメントありがとうございます。
作中の暗喩やら寓話的で抽象的な表現に、いまひとつ馴染めなかったのです・・・
説明がなくても『めがね』みたいなのは、すんなり受け入れられるのですが。
Posted by ささみ at 2007年10月16日 13:17
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